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≪ストライキを打てる労働運動を、 運動で民主主義を鍛えよう≫

新春号は、横浜地区労議長の佐々木信吾さんに新春インタビューを行いました。

 

【2024年の年末、議長が委員長を務める東海大学教職員組合や、大学等教職員組合で賃上げを求めるストを行いましたね。10%~15%という要求額も思い切った金額ですが、ストの手法もインパクトがありました。

昨年の活動を振返ってどのような一年でしたか?】

 

議長)あけましておめでとうございます。

加盟組合の皆さんにとっても昨年は様々なことのあった一年だったと思います。

2025年はさらに労働運動を前進させていけるよう共闘の力を発揮させていきたいと思います。

 

昨年末、地区労の加盟組合である東海大労組や大学等教職員組合が賃上げを求めるストライキを行いました。

様々な形で支援を頂き、地区労に加盟し、他労組と共闘するからこそできたストライキであり、あらためて共闘の重要性を感じています。

ストの効果自体は明らかにあります。

東海大では副委員長の雇止めが撤回されました。

また、大学側は「組合が求めるから」とは口が裂けても認めないのですが、ささやかに一時金が出たことも合わさって、学内では正規・非正規問わず、「労働組合のおかげ」という意識は広く浸透したようです。

組合設立時は「どうせ勝てないからやめときな」と傍観視する意見ももらい、悔しい思いをしていましたが、隔世の感があります。

(もっとも、組合員の大半は雇止めされたままなので、今年は裁判の判決が期待されるところです)

 

ストの効果は他での交渉にも役立っています。

それまでは「検討します」と言い続けるだけだった大学も、「この組合はストをやる」ことが知られると態度に変化が生じています。

日本大学でも、不利益変更を受けた組合員の処遇について、スト通告書を出したら即座に戻してきました。

いままででは考えられなかったことです。

 

団交など闇から闇へ、「聞き捨てればよい」と考えている使用者にとって、ストライキは労使関係を可視化する効果もあり、より交渉圧力を高める効果がるとも感じています。

 

 今回のような短時間の指名ストというのは手ぬるいのではとの意見も頂きますが、この手法はストのハードルを下げるために意図的にやっています。

現在は東海大はじめ、大学等教職員組合の分会のある桜美林大や日大でストを打てる状況が作られていますが、日本ではストのハードルが特に高いと感じます。

ストを打てる組織を増やすためにどうすればハードルを下げることができるかみんなで考えています。

 

写真は昨年12月12日静岡キャンパスの時のものです。

当労組の支部の加盟する静岡県労働組合評議会(静岡県評)はもちろん、東海大相模高校の組合や山梨県労も駆けつけてくれました。

ストは他労組との連帯を強化してくれることも大きな発見です。

 

ストは現在も計画をされており、1月8日大学等教職員組合は、大月市立大月短期大学(山梨)で指名ストに突入します。(すでにしました)

会計年度任用職員で、地方公務員扱いなのですが、人事委員会の勧告の準用はありません。

26年間賃金も据え置きなのです。権利回復を問う、決意のストです。

このようなストがもっと多くの職場で多発するようになれば、労働者の権利はもっと前進するはずです。       ニュースはこちら

 

スト権は組合の権利の根幹なので、我が国が国際的な批判に耳を貸さずに公務員のストを否定していることは恥ずべき事です。                     

『ストライキ権を背景としない労使交渉は経営者に対する集団的な物乞いにすぎない』

これはドイツの連邦労働裁判所の有名な判決文の一節です。

少し過激な表現の切り抜きではありますが、ストをうつ力を持つことは、労働組合の交渉力を高めることに繋がります。

ストを打てる労働運動を全国で加速してゆければと願っています。

 

【今年はどんな1年にしたいですか】

皆さんも実感するところだと思いますが、労働組合をやっていると、大小さまざまな問題が一年中発生します。

毎年、大晦日になるまでそれが続きます。

「ああ、もう疲れた」とは思うのですが、元旦の午前中を静かに過ごすだけで、もう組合のことばかり考えている自分がいます。

そうしたバタバタの中でも、地区労の議長としては「組合員に敬意を払うこと」「地区労の加盟組合の連帯が少しでも強くなるように貢献すること」を実行できたらよいなと思っています。

そのためには、加盟組合の皆さんの声が、意見がもっと出しあえる、対話ができる組織づくりを心掛けていきたいと思います。

また、年初であるからといって、改まってお伝えすることではありませんが、横浜地区の労働問題を通して、私たちは平和の砦を作っているということを訴えたいですね。

労働者・国民の生活を犠牲にして軍拡に突き進むこの国が誤った道を進み続けないよう、見えざるブレーキの役割を果たすことが労働組合のもう一つの機能だと最近は考えるようになりました。皆さんの組合でも日ごろは大変なことばかり起こっていてることと思いますが、そうした中でもお互いに民主主義を鍛えて参りましょう。

 

 

 

≪今後の予定≫

■成人式宣伝(最低賃金)

1月13日(祝)11時~12時  新横浜駅北口駅前広場

■常任幹事会             

1月15日(水)18時30分~ 平労会館またはオンライン

■毎月街頭宣伝           

1月22日(水)18時30分~19時30分 桜木町駅南口改札前

■地区労70thパーティー    

2月8日(土)12時~15時 

■東海大学教職員組合(地位確認訴訟)

 判決日 2025年1月30日(金)11時~ 東京地裁709号法廷

■横浜地域労働組合佐藤エステートビル株式会社(団交拒否事件・第10回調査期日)

1月2 1日(火)14時30分~ 神奈川県労働委員会

■横浜地域労働組合ココピアワークス(障害者総合支援法、省令、県条例違反の雇止め事件第四回裁判期日)

1月16日(木)10時 横浜地裁502号法廷