【写真は、全大会でスピーチするUAWのフェイン委員長】
今年のレイバーノーツ大会の話題の中心となったのはUAW(全米自動車労働組合)です。
GM、フォードなど大自動車メーカーの労働組合が、ストライキを構えて要求を勝ち取っている実践が共有され、その手法も注目されました。
この成果は、アメリカに進出するトヨタやホンダの工場における労働条件の向上にも影響を与えています。
ここでは、レイバーノーツ大会3日目の分科会「UAWの三つのストライキの教訓」でのやり取りを紹介します。
※UAWのストの詳細は「学習の友」24年1月号 伊藤大一さんの記事等を参照してください。
〇全面ストではなく、一部工場から始めて徐々に拡大していく戦略について
新しい戦略だったが組合員には積極的に受け止められ、やる気に満ち溢れていた。管理職はストライキに対して打つ手がないように見えた。
〇ストを通じて組合員が一つに
ストは時間をかけて準備をしてきた。
(情報集め、共有、資金、食料、資材etc)
「計画を立て、戦略を練り、役割を話し合ってきた。
4ヶ月かけて準備してきたことによって、組合員が自信をもってストに立ち上がることができた。もちろんストに対する恐怖感は皆にあったが、一人一人と対話をする中で連帯を作ってきた。
準備の過程を通じて、自らの関与を促し、対話し、信頼を醸成していくプロセスが重要だった。
〇地域社会に支えられた闘い
ストライキには様々な妨害があった。
私たちはどうするべきか話し合い、地域に「スト支援」のお願いに回った。
お願いに回り、対話をする中で、GM以外の工場でもひどい状況があることが分かった。格差をなくしていくために団結する必要性を感じた。
我々のストライキは、地域社会に支えられた闘いだった。
〇ストライキを楽しい時間にするために
ストでは、生産を止めるために工場のゲートをふさぐ。
組合員が交代でゲート前を見張った。
とても寒かったが、焚火をして見張った。楽しいひと時だった。
実行するためには組合員との「対話」「コミュニケーション」が欠かせない。それがあったからこそ、ストライキは楽しい時間となった。
〇同じファミリーの一員になれたと思った。
パートタイム労働者は6年間働かないとフルタイム労働者の労働条件に追いつけない。
この差別が解消できた。単に賃金が上がっただけではない。
2級市民のように扱われた労働者間の差別を是正させることができた。
〇UAWが一体となり生まれ変わったことを示した
かつてのUAWは労使協調で腐敗した組合運営が常態化していた。
それが生まれ変わり、労働者を代表する労組だということを世界に示すことができたことが重要。
〇最後に印象的だった言葉
まわりでストに立ち上がった労働者がいたら、ぜひ励まして連帯してほしい。
産業を超えて連帯する必要性。
階級性のある連帯を作っていく必要がある。
一人一人が考えて力をつける運動を進めていきたい。
2025年メーデーに向けて闘えば勝てるという確信を拡げたい。
恐怖を乗り越えて立ち上がる仲間が増えてほしい。
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