4月22日シカゴ教員組合(CTU)との懇談でのやり取りを紹介します。
キーワードは
「地域に向き合う労働運動」
「公共財のための運動(コモングッズバーゲニング)」
CTUは、2020年に改革派が執行部をとり、ストライキを打てる組合になった。組合には教員も事務員もみな加入している。
シカゴの教育業界も、日本と同様の課題をもっている。
それは「学校の民営化」「統廃合」など。
特に、黒人や移民の多い地域でこれらの問題は起きている。
どの地域にも共通するかもしれないが、地域住民の中で税金を多く収めている富裕層の中に「地域の開発と民営化を進めよ」「貧困地域に税金を使わなくてもよい」という考え方が一定数ある。
組合は「公共財への攻撃は私たち組合員への攻撃である。」ととらえている。
なぜなら、アメリカで一番大きい勢力は教員組合であり、学校の民営化によって教員組合の力が弱まれば、支配層にプラスになるからだ。
(写真参照 労働組合の組織率の低下は富裕層の資産の増加につながる)
CTUは、学校(公共財)への攻撃を跳ね返すために、教員だけでなく地域との連携を強める運動を展開した。
それは、地域への「奉仕活動」ではなく、「同じ課題・目標にともに取り組む」という運動だった。
市民と組合員が目標を共有し、みんなで議論をしながら目標に向かっていく運動であった。
メキシコからの移民である組織局長(写真真中)は
「保護者との対話を、私たちオルグがするのではなく、『組合員である教職員』がすることが大切。なぜなら、組合員こそが主体であるべきだし、彼らが一番保護者や子どもたちのことを知っている。」
「問題が起きたとき、まずは保護者に説明に行く。共通の問題にともに取り組むために。逆に言えば、地域の理解が得られない運動は成功しないと考えている」
「私たちは課題についての戦略を立てるチームをつくります。目標と、そこに向かう手段を具体的にし、シカゴの学校と子供たち、地域に何が必要なのかを明確にすることから始めます。」
「CTUも最初は4人の役員だけが交渉に出ていた。しかし、もっと参加を拡げることにした。
地域住民も含めて、公開の交渉の場を持つようにした。すると協力の輪が広がった。
私たちが自分たちのことだけを取り上げていたら、組織も減っていくだろう。教員が地域と繋がることができれば、最強のパワーを持つことになると信じている。」
Q&A
〇忙しいから組合活動ができないという人たちにどう向きあっていますか?
「そんなに忙しいのか?でも組合活動をしないと職はなくなるんだぞと話している。今やらないともっと悪くなる」と話している。
〇オルガナイザーの役割はなんだと考えますか?
内部をどう組織化していくのか、結集力を強めるのか、戦略を立てるのが私たちの仕事。
〇UTUの会議はどのように行われていますか?
会議は「報告」の場ではなく、「あなたは何をするのか?」という内容に変えた。
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