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年頭のご挨拶

≪年頭のご挨拶≫

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

しかし「新年おめでとうございます。」と言える空気ではなくなってしまいました。

 

元旦には能登半島地震とそれに伴う津波が発生してしまいました。圧倒的な事前災害の前では、人間は逃げることしかできませんが、私たちも何かできることはないかと模索せねばなりません。翌日は羽田空港での衝突事故です。原因究明には時間がかかるかもしれませんが、何らかのヒューマンエラーがあったことは間違いないようです。種類は違いますが、こうした災害や事故に巻き込まれてしまう不条理を思わずにはいられません。

 

一方、世界では人間が意図的に起こした戦火や迫害が横行しています。ロシアのウクライナ侵攻はいまだに続き、ハマスのテロに端を発したイスラエルの報復も過剰にさえ映ります。軍事的挑発を繰り返す国、言論や人権の圧迫を繰り返す国、自国中心主義を声高に叫ぶ人間がいまだに人気を博する国、人間の愚かさを制御できない国が世界中に存在しています。右も左も関係なく、言論を弾圧し、市民を殺し、未来を刈り取る戦争もその準備行為も絶対悪として封じなければいけません。

 

ところで、賃上げに向けての機運が例年になく高まっています。ストライキについても、単に労働者の権利というだけでなく、「必要な手段」として認識されてきたと強く感じます。日本では国民が労働組合を大事にせず、戦わない労働組合も国民の信頼を裏切ってきました。その結果、日本は大企業ばかりが内部留保を蓄積し、国民は貧しくなってしまいました。今の機運を大事にしなければなりません。

しかし、「今の機運を大事にする」ためにも、私たちは組合の基本を忘れることはできません。遅々として物事が進まないもどかしさは誰もが感じたことはあるかもしれませんが、集まる・話す・議論する・考え直す、ことは民主主義の実践の大原則でしょう。

襲いくる不条理をせめて軽減し、戦争の抑止力となるための礎として、労働組合が果たす役割は小さくありません。

今年も誇りをもって組合活動に邁進して参りましょう。

 

2024年1月5日 

横浜地区労働組合協議会 

議長 佐々木信吾