今年は広島・長崎の被爆から78年、ビキニ水爆被災から69年です。
いま世界は、ロシアによるウクライナ侵略戦争、北朝鮮のミサイル開発など、緊張に包まれています。
一方で、この危険な状況にたいして、世界は、戦争の問題でも、核の問題でも、圧倒的多数の国々が、国連憲章を守り紛争の平和解決へ、核兵器の禁止へと大きく動き始めています。
この非核・非軍事の世界の流れをさらに加速させ、「核兵器のない世界」を実現させていくためには、それを担う運動の役割が重要です。横浜地区労は、3・1ビキニデー集会と原水爆禁止世界大会への代表派遣を通じて、この核兵器廃絶の運動に参加しています。今年の地区労代表として参加した、東海大学教職員組合(22年5月地区労加盟)のブラッドリーさんと小金澤さんにレポートを寄せていただきました。
【ダニエル・ブラッドリーさん
東海大学教職員組合湘南支部】
ビキニデーラリー
まず、大会主催者に感謝の意を表したい。
静岡のコンベンション&アートセンター/GRANSHIPが会場となりました。
私は2月28日に参加しました。
その体験は信じられないほど感動的なものでした。
1990年代に米国で育ち、教育を受けたアメリカ人として、私たちはビキニデーや核兵器の影響について、学校では教えてもらえませんでした。
そのため、実際にその場に立ち会うことができたことは、私にとって忘れられない経験となりました。
この経験を忘れることはありません。以前からこのようなイベントに参加してみたいと思っていましたし、この経験を活かして、日本の若者の教育に役立てたいと思います。そして海外へも。
8つの分科会のうち、1つだけ選んで参加するのは難しかったです。
というのも、どれも重要なテーマであるためです。ゲストの一人であるニューヨークのスピーカーは、個人的な理由で出席できませんでした。私はこの方とお話がしたかったので、残念です。
もっと、多くの人にこのような活動に参加し、若い人たちに情報を発信してほしい。
環境の影響や今後の課題について、多くの人に知ってもらいたいと考えています。
【小金澤鋼一さん
東海大学教職員組合湘南支部】
3月1日に静岡で開催されました「被災69年・2023年3.1ビキニデー」に参加しました。集会はハイブリッドで行われ、800名余の会場参加、670名のオンライン参加だったそうです。
メイン企画の始めに話をされたのが、第5福竜丸乗組員の大石又七さんの義妹の河村恵子さんでした。大石さんと姉のなれそめの話をされ、大石さんが被ばく治療のため入院していた病院に見舞いに行ったお姉さんが一目惚れされたとのことでした。大石さんはよほど人間的魅力にあふれた人だったのでしょう。その後彼は語り部として長年活動され4册の本を出版しています。
続いて、マーシャル諸島・ロンゲラップ島代表のアバッカ・マンジャン・マディソンさん話をされました。未だに若者の癌患者が多数出ているとのことでした。1954年にビキニ環礁で行われた水爆実験(ブラボー実験)がいかにすさまじいものだったか、その後遺症が70年近く経った今でも島民を苦しめている実態を話してくれました。
プロダイバー・環境活動家の武本匡弘さんは、マーシャル諸島が海水温上昇による海面上昇と珊瑚の白化にみまわれていることを彼の撮影した写真を使って話をされていました。特にショッキングだったのは、核実験で出た核廃棄物がエニウエトク環礁の核爆発でできたクレータに集められドーム状のコンクリート構造物(ルニット・ドーム)で遮蔽されているが、これが海面上昇で水没し、放射能汚染が拡がる恐れが出てきた、との話でした。マーシャル諸島の住民達は70年前の核実験で地獄を見たうえ、さらに地球温暖化で追い打ちをかけられているということです。
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