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≪会館まつり~コロナ禍で映画祭~≫

会館まつりは、平和と労働会館が建設されてから、毎年年末に開催されてきました。

2019年に第32回を迎え、2020年、2021年は新型コロナウイルスの蔓延防止のために中止となりました。

 

会館まつりの目的は 

①「平労会館の入居団体」「近隣の住民」の交流の場

②地域・近隣住民に対し、労働組合や諸団体の認知を広げる。

③各組織の結集強化。とし、平和と労働会館に集う団体の結集の場、近隣市民との交流の場として開催されてきました。

 

新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中で、何かしたいと検討し、今年は「映画祭」としました。

イギリスのケンローチ監督の映画を3本。子ども向けの映画を3本上映しました。

参加した地区労常任幹事の織田さんに感想を寄せていただきました。

 

【今の日本そのものではないか】

 仕事の都合で最後の「私はダニエル・ブレイク」しか観れなかったが、これも含めて、自分は3本とも既に見た事はある。しかし、改めて見ると、ケン・ローチ監督の問題意識と描写の鋭さに、本当に感心させられる。

 職人気質で、優しくて、労働者としての誇りに満ちたダニエル・ブレイク。そんな彼でも体を壊して働けなくなる事はある、そんな時に救ってくれるのが社会保障であるはずだ。ところが、本来は人を救うはずの公務員が、貧困者にいかに冷たいか、もっと言えばいかに給付を受けさせないように仕向けているか、イギリスのその実態が伝わってくる。

 今の日本そのものではないか。一部の自治体では、いかに生活保護を受けさせないように食い止めるか、それが仕事になっているという現実が、報道等から伝わってくる。いや政府自ら、福祉予算を削り、年金を切り下げ、そして防衛予算を倍増させているではないか。結果、暮らしはますます厳しくなり、貧者は救われず、ダニエルのような人は増える。貧乏講師としては、とても他人事とは思えない。だからこそ、クライマックスのダニエルのペインティングに共感する人が多かったのではないか。

 だとすれば、労働組合の役割は大きい。来年の旗開きでは、この日の1本目「ブレッド&ローズ」のようなアメリカの労働運動についての講演が聞けるという。今から楽しみにしている。

織田和家(大学等教職員組合)