≪港湾労組・商船三井ロジスティクス分会争議≫
基本給の固定残業代への変更許すな
制度撤回を求めて裁判争議中
横浜地区労に加盟する港湾労働組合・商船三井ロジスティクス分会が闘っている裁判で9月21日に証人尋問が行われ、組合員2名が証言台に立ちました。横浜地区労から佐々木議長、長島特別常任幹事らが駆け付け支援のため傍聴しました。
支援には19名が参加し法廷の傍聴席を全て埋め尽くしました。
<嘘とまやかしの賃金制度>
2019年7月に商船三井ロジスティクスで賃金制度の改定が行われました。その内容は『専任管理職』と呼ばれる管理職の基本給の一部を固定残業代に置き換えるというものでした。そもそも『専任管理職』は残業代削減のための〝名ばかり管理職″です。会社はこの賃金制度の変更は不利益変更では無く「基本給が一部、残業代に置き換わっただけで、残業代が支払われなかった管理職にとって、総額は同じなんだ」と賃金制度の改定にあたり、社内で説明してきました。
<労基署が専任管理職に是正勧告>
しかし、そもそも専任管理職には管理監督者性が無く、残業代を支払わないこと自体が違法です。港湾労組の闘いによって、労働基準監督署も違法性を認め是正勧告を出し、会社は該当者全員に未払い残業代を支払いました。しかし、会社は是正勧告に従った後の団体交渉、労働委員会、そして裁判においても、賃金制度の変更は不利益変更ではないと繰り返すばかりです。
<裁判勝利に向けた運動を大きく>
港湾労組は制度改定前の5月に分会を結成し団体交渉、労働委員会と段階を重ねてきましたが、主張を変えない会社に対し、やむを得ず裁判となりました。
会社の主張は賃下げを不利益変更でないと偽るもので許されません。もし今回の争点が不利益変更ではないと判断されてしまうと、使用者は基本給を固定残業代へ置き換え、自由に賃下げを実行出来る判例となってしまい、他の企業もこぞって真似をする恐れがあり絶対に許すことはできません。横浜地区労は港湾労働組合と分会の闘いを全力で支援していきます。引き続きみなさんのご支援もよろしくお願いいたします。
≪裁判傍聴記≫
9月21日の裁判を傍聴した佐々木議長に感想を寄せていただきました。
短く言えば、名ばかり管理職で残業代カットの案件です。この固定残業代というのは残業させ放題の悪しきルール。裁量労働制と同じで、結局は労働者の健康を損ね、賃金を奪う利用のされ方が目立ちます。
使用者側の証人は「調べないと分からない」を連発していましたが、労基の勧告を自分の会社が受け入れたかどうかも分からないのか。労働者側の証人2人は誠実に証言している姿が印象的でしたが、長年の貢献が足蹴にされた悔しさも滲んでいました。
団交では使用者側の弁護士様がもっぱら発言していたようですが、せめて解決を導く良い仕事をして欲しかったですね。
勝負は、どこまで労働者側の同意があったかに帰結してゆくように感じました。最高裁・山梨県民信用組合事件の「真の合意か疑わしい」の視点に立つのか、形式的な契約を優先するのか。労働者は契約しないとメシが食えないのだから、裁判所には実態を踏まえた判決を望みたいです。
裁判や労働委員会で署名や傍聴の効果は明らかにあると日ごろから実感していますが、日中の証人調べを仕事持ちは傍聴しにくいです。今回もいろいろな組合の先輩方が満席に来て下さり、ホームの空気を作ってくれました。現役世代が助けられているという思いを強くしました。感謝以外にありません。 【横浜地区労 議長 佐々木信吾】
以下の署名にご協力ください。
⇩
コメントをお書きください