今回のレイバーノーツ大会に、全労連の仲間が参加できたのは、米国電気機械無線労働組合(UE)という労働組合の尽力が大きかったそうです。
UEは全労連にとってアメリカ労働運動の羅針盤となっていると紹介されるほど、「原則的な活動」を続ける労働組合ですが、近年、数万人の大学院生の組織化に成功していることが注目されています。
レイバーノーツ大会では、UEの皆さんと懇談する機会がありました。近年大学院生が数万人単位でUEに加盟しており、いくつもの大学で自らの労働条件を改善、研究環境の改善を求め、勝ち取る成果もあげています。
当事者である大学院生が懇談会に参加していたので、「なぜ大学院生がUEに加盟したのですか?」と質問を投げかけました。
ジョンホプキンス大学の院生
「学内で数百人を組織化しました。UEは階級性のある労働組合であり、社会運動も含めて労働者階級のリーダーであると評価している。研究機関が資本主義の手先とならないためには労働運動が大切だと思う。大学が大学本来の役割を担えるよう、大学の前進に貢献したいと思っている。次は研究時間を勝ち取る協約を勝ち取りたい」
マサチューセッツ工科大学の院生
「私たちは階級意識をもって労働組合をつくった。大学という「小さな世界」で労働組合をつくる意味は、資本主義的論理を大学に押し付けてくる状況の中で、資本主義の理論に対抗する力が必要だと思う。階級的な労働組合をつくる意味はそこにあると思う。」
若い大学院の学生たちが労働組合に求めたことは、「階級性」であるというコメントに衝撃を受けました。
この若者たちは、労働組合を通じて「私の労働条件の向上」を実現するにとどまらず、「私たちの労働条件」「私たちの研究環境」「私たちの自治」「大学のあるべき未来」にまで思いを馳せていました。
自分事から、全ての労働者の権利と未来を見据えた意識、それが「階級性」という言葉に込められているように感じました。
階級的労働運動が労働者の希望となり未来を照らす羅針盤としての輝きを増していることを強く感じました。
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