レイバーノーツとは
レイバーノーツとは労働組合の名称ではありません。
1979年から小さな出版事業から始まり、月刊誌、書籍の出版、会議の開催や労働運動の活動家のネットワークの構築を通じて労働運動を支援してきたアメリカの団体です。
レイバーノーツは様々な取り組みを行っていますが、2年に一度全米の「革新的労働組合」が一堂に会し、お互いの経験を学び合い称え合う交流集会が開催されています。それがレイバーノーツ大会です。
シカゴ市内のホテルを貸し切り、今年は過去最高の4700人が4月19日(金)~21日(日)の三日間で集い、300を超えるワークショップや行事に参加しました。
全労連は2年前に数名で参加しましたが、今年は39名の代表団を結成。横浜地区労事務局長の薮が、神奈川労連の代表として参加してきました。その報告レポートを連載していきます。
高いハードルを乗り越えて労働組合が結成
2023年にUAW(全米自動車労組)の15万人の組合員がアメリカBIG3(GM・クライスラー・フォード)と呼ばれる大企業3社を相手にストライキに立ち上がり、約6週間に及ぶ攻防の末「4年で25%」の賃上げを含む労働条件の改善を勝ち取ったニュースは日本でも報道されました。
そして今UAWは在米国外メーカーの自動車工場でも労働組合の結成を目指しており、レイバーノーツ大会の期間中にもフォルクスワーゲンで新たに労組を、労働者の75%の支持を得て結成したとが報告され、会場が歓喜に包まれました。
その他アメリカではAmazonやスターバックス、家事ワーカーなど、新しい分野でも次々と労組が結成されています。図表のように、アメリカで労働組合を結成するには極めて高い制約を乗り越える必要があり、日本とは大きく異なります。(下記画像参照)
協約締結権を持つ労働組合を結成すること自体が一大闘争であり、その中で近年の労働組合が次々と結成されていることはまさに歴史的と言っていいと思います。
労働運動に運動を取り戻す
これら近年のアメリカの労働運動のうねりはどのように生まれたのか、これは突如生まれたものではなく長年にわたって準備されてきた運動の成果であったこと、その準備の軸となってきたのが、「労働運動に運動を取り戻す」をスローガンに活動してきたレイバーノーツであったことを知り、大いに関心を掻き立てられました。
次号以降、アメリカ労働運動の状況やレイバーノーツの運動を紹介していきたいと思います。
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