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≪港湾労組‣商船三井ロジ争議‣和解で解決≫

横浜地区労加盟組合の港湾労働組合で闘われていた「商船三井ロジスティクス争議」が解決しました。

港湾労組執行委員長代理三宅洋氏から原稿を寄せていただきました。

 

≪港湾労組‣商船三井ロジ争議‣和解で解決≫ 

 

港湾労働組では2019年7月に商船三井ロジスティクスが新人事制度と称して行った労働条件の変更に対して、一方的不利益変更であると訴え、新人事制度の無効を求めて闘ってきました。

2023年2月3日、横浜地裁で和解が成立し、争議解決となりました。

 

商船三井ロジスティクスは組合員二名を含む専任管理職について、「管理監督者に該当する」として残業代を支払っておりませんでした。そして、それが違法である点は、既に労働基準監督署からの是正勧告により明らかでした。

ところが会社は、専任管理職に残業代を支払うために従来の基本給を、「減額された基本給」と、減額分と同じ金額である「残業23時間分の固定残業代」にわけて支払うという人事制度の改定を新たに発表しました。

 

こうした状況の中で4年にわたる争議を闘い、今回の解決を勝ち取れた力は、

①本人達が「不正、不法は許さない」という闘う姿勢を一貫し堅持してきたこと。

②労働組合が団体交渉はもとより24時間ストライキ、労働委員会、厚生労働省及び神奈川労働局への訴え、訴訟と原則的な闘いを積み重ねてきたこと。

③仲間の支援があったこと。

があります。

ストライキには横浜地区労、神奈川労連や同じ港湾の産別組合からも激励が多数寄せられ、60名以上が支援に駆けつけてくれました。

厚生労働省、神奈川労働局へはその違法性を訴え、是正指導を促しました。

横浜地裁での判決前に集めた署名は短期間に1200筆にのぼりました。

裁判では組合員が証人尋問に立ち、自分たちの主張を堂々と行い、最後に裁判官に対しては社会正義に反することの無い判決を出すよう切に訴えました。

こうした闘いの結果、和解に至ることができました。

 

仲間の支援に心から感謝しています。本当の意味での労使関係は、まだスタートに立ったばかりです。これからも奮闘していきますので、今後ともご支援ご協力をよろしくお願いします。

 

【声明】

商船三井ロジスティクス訴訟の和解成立にあたって

~残業代不払いの違法を潜脱した「労働条件不利益変更」の是正を求めて~

 

2023年2月3日  

港 湾 労 働 組 合

執行委員長 奥村芳明 

 

1. 裁判所による和解成立

港湾労働組合の組合員二名は、2019年7月に商船三井ロジスティクス株式会社が新人事制度と称して行った労働条件の変更に対して、「労働者と合意することなく労働者の不利益に労働条件を変更することはできない」とした労働契約法第9条の「法の主旨」を無視した一方的不利益変更であると訴え、新人事制度の無効を求めて闘ってきました。本日、港湾労働組合と商船三井ロジスティクス株式会社は、横浜地方裁判所で和解が成立し、争議解決となりました。

 

2. 残業代不払いの違法を潜脱した「労働条件不利益変更」の是正を求めて

商船三井ロジスティクス株式会社は同社従業員の菊池組合員、中山組合員を含む専任管理職について、管理監督者に該当するとして残業代を支払っておりませんでした。そして、それが違法である点は、既に労働基準監督署からの是正勧告により明らかでした。ところが会社は、専任管理職に残業代を支払うために従来の基本給を、「減額された基本給」と「残業23時間分の固定残業代」にわけて支払うという人事制度の改定を新たに発表しました。管理監督者としての運用が違法であった以上、正当な残業代が支払われなければなりません。しかし、会社はこの制度改定により、基本給を減額し23時間分の残業代を不支給とすることで、事実上、違法な管理監督者と扱うことでの残業代不払いとほぼ同様の運用を続けることとしました。

 

3. 仲間の支援で闘い抜いた4年間

 こうした状況の中で4年間の闘いを続けられた力は本人達が「不正、不法は許さない」という闘う姿勢を一貫し堅持してきたこと、組合が団体交渉はもとより24時間ストライキ、労働委員会、厚生労働省及び神奈川労働局への訴え、訴訟と原則的な闘いを積み重ねてきたこと、仲間の支援があったことがあります。ストライキには神奈川労連や同じ港湾の産別組合からも激励が多数寄せられ、60名以上が支援に駆けつけました。厚生労働省、神奈川労働局への訴えではその違法性を行政に訴え、是正指導を促しました。横浜地裁での判決前に集めた署名は短期間に1200筆にのぼりました。裁判では組合員二名が証人尋問に立ち、自分たちの主張を堂々と行い、最後に裁判官に対しては社会正義に反することの無い判決を出すよう切に訴えました。こうした闘いの結果、和解に至ることができました。本当の意味での労使関係は、まだスタートに立ったばかりです。ご支援頂いた港湾労働組合の仲間と神奈川労連、横浜地区労、全国港運海貨労協、横浜港湾労協、全横浜港湾、そして裁判を闘った弁護士と神奈川の仲間の皆様方に、心から感謝し厚く御礼申し上げます。