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≪雇調金は受給するが講師は労働者ではない?≫アテネ・フランセ労組

今年10月に労働組合を結成し、横浜地区労の仲間となったアテネ・フランセ労働組合。組合結成によって早速変化が生まれています。横山委員長にレポートを寄せていただきました。

 

アテネ・フランセ労働組合 レポート

従前から学校法人アテネ・フランセは組合員を含めた「フランス人講師たちは労働者ではなく業務委託だ」と主張してきましたが、2022年11月2日、学校は2023年1月からは講師たちの業務の大半を有期の雇用契約とするとの見解を示しました。

しかしながら、11月29日、学校は組合からの団体交渉申込みに対して、「フランス人講師たちの現在の地位は労基法上も労組法上も労働者ではない」と主張し、団体交渉を拒否しました。ただし「話し合い」には応じるとして、約2時間の「話し合い」を行いました。

「話し合い」では、学校は、「講師たちの現状の契約は雇用契約ではなく業務委託であり、無期転換や有給を認めない」という従来の主張を繰り返しながらも、雇用調整助成金を受給した事実、講師個人に(雇用関係を前提とする)休業支援金の受給を奨励した事実、さらに講師のビザ更新手続きのための申請書や子どもの保育園のための就労証明書に「雇用」や「パート」と書いてきた事実を認めました。学校は「業務委託という認識がある一方で、雇用を前提とした対応をとってきた」と釈明しました。

また、学校は2022年4月と10月、2度にわたって労基署から是正勧告を受けていますが、4月の是正勧告の当日に、学校の事務長は労基署に申告した講師の子どもの通う保育園に電話するという、報復とも考えられる行為を及んでいます。

「話し合い」では、事務長が電話した事実を認め、学校は不適切な対応であったと謝罪しました。そのうえで、講師当人に書面で謝罪するとともに、再発防止の観点から事務長に何らかの懲戒処分を下す予定であると説明しました。

 以上のとおり、組合活動に進展もあるものの、講師の現状が雇用契約と認められず、無期転換も認めらない以上、2023年から有期の雇用契約となったとしても、今後、不利益変更を受ける可能性は十分に予想されます。組合としては引き続き講師の労働者としての地位と無期転換を求めて活動していきます。   

 

アテネ・フランセ労働組合                                  

執行委員長 横山 陸